2022年12月11日日曜日

次回も書面による準備手続

先日、横浜地裁に大木哲大和市長が金子勝前副市長を名誉棄損で訴えている裁判の訴訟記録を閲覧してきました。

訴訟提起が昨年の6月10日なので1年半経過しており、11月30日は8回目の書面による準備手続(実質的に行われていることはウェブ上で口頭弁論を行っているのと同様)で、いい加減証人尋問の期日が決まっているだろうと思っていたのですが、結論から言えば次回も書面による準備手続(12月20日16時30分から)。

今回は大木哲大和市長側の代理人弁護士からの準備書面(金子勝前副市長側の主張は法的に根拠がない、陳述書の内容も信用できない又はパワハラにあたらない)に加え、大木哲大和市長の陳述書も提出されていました。

が、物はA4の用紙に1枚だけ、内容も今までの記者会見や議会答弁で答えている内容(パワハラは行っていない、裁判所は事実認定の専門家なので法的に唯一の解決手段と考えた、公正な立場からの客観的な判断をして欲しい)のみで目新しい内容は含まれていませんでした。

なお、金子勝前副市長側からは、今まで多くの元職員からの陳述書が提出されています。

神奈川県職員から引き抜かれたものの、任期途中で退職した初代の副市長。思い付きに振り回されて嫌になり定年前に退職せざるを得なくなった技術職の係長。定年まで勤め上げ、退職後は関係する財団法人の統括責任者に再就職したものの現役時代に何度も理不尽な恫喝を受けていた元部長。2021年3月に退職したばかりの前市長室長。金子勝前副市長。

加えて、無記名ではありますが労働組合が行ったアンケート(市長によるパワハラを「直接受けた」または「見聞きしたことがある」との回答が25%)や管理職を対象にしたアンケート(回答者全体の約6割が「ある」「見聞きしたことがある」)もあります。

対する大木哲大和市長側からは本人からのこの1通のみ。

本当に次回で証人尋問の日程を決めるものと思われますが、地裁の判決が統一地方選挙に間に合わないようであれば、有権者の判断材料にならないという意味では残念です。

2022年11月26日土曜日

大和市長の問責決議案が可決されました。が…

各紙やTVKで大木哲大和市長に対する問責決議案が可決されたとの報道がありました。

「全員賛成で可決」とあるものの、欠席1名・退席1名との報道もあり、誰が欠席して誰が退席したのかは調べる限り報道はされていない様子。

そこで、報道にあった画像や映像から座席番号などを調べたところ、座席番号27番、自由民主党の木村賢一議員は名札が出ていなかったので事前に連絡があり欠席扱いになっているらしいことがわかりました。採決の際に席を外し、あえて採決に加わらなかったのは議席番号18番、明るいみらいやまとの町田零二議員とわかりました。

町田零二議員は、前副市長辞職等に関する調査特別委員会の委員でもあった方です。

オフィシャルウェブサイトツイッターブログも運営されていますが、本件についての情報発信はまだないようです。そもそも大木哲大和市長のパワハラ疑惑についての記載も一切なければ、ご本人が調査特別委員会の委員を務められていたことも一切取り上げられていません。

なお、過去の報道によると、大木哲大和市長が最初に当選した後に制定した多選禁止条例の廃止を行った際の提案者は、この町田零二議員のようです。

議案に対して賛成か反対かなら各議員の姿勢が明確ですが、賛成できないということであれば堂々と反対すればよいので「退席/棄権」というイレギュラーな対応をとるのであればそうせざるを得なかった理由の説明があってしかるべきではないか、と感じました。きっとそれなりのご事情があるものと推察します。

なお、大木哲大和市長は裁判で自らの主張を明らかにすると繰り返していますが、前回の期日までにはご本人からの陳述書は提出されていません。次回の期日は11月30日なので、また訴訟記録の閲覧に行こうと思います。

2022年10月23日日曜日

前市長室長の陳述書が追加されていました

10月20日、訴訟記録の閲覧に行ってきました。朝9時頃横浜地裁に電話で訴訟記録の閲覧ができるか(期日の直後だと裁判官の手元にあって閲覧できないこともある)確認したところ、今ちょうど別の方が閲覧中なのですぐに来ても順番待ちになるかもしれませんとのこと。

それではお昼前ぐらいに伺いますと伝え、11時過ぎに到着したところ、前副市長辞職等に関する調査特別委員会の委員を務められている議員さんがちょうど閲覧を終えたところでした。

2時間たっぷり閲覧されていたということで、さぞお疲れになったことでしょう。

中身を確認したところ、まず次回の期日が目に入ってきました。

11月30日 第8回書準(web) 4:40

ということで、次回も証人尋問ではありませんでした。

今回の期日では、前回の大木市長側の準備書面を受けて法解釈の議論と2021年3月に退職された前市長室長の陳述書と金子前副市長の陳述書が追加で提出されていました。

前市長室長の陳述書では、自分自身はパワハラを受けたという認識はないとしながらも直接自分が関わっていない事項で大木市長から反省文を書くように求められ、これを拒否すると他の職員に影響が出ると考えて応じたことや新型コロナウイルスワクチン接種担当課長だった職員が連日のように大木市長から叱責を受け精神的不調となり休職に至ったことをとても残念なことだと思っていますというような内容がありました。

金子前副市長の陳述書では、金子前副市長が秘書課長時代に大木市長がいつできたかわからない市長室の壁の傷に気づき激怒、当時の秘書課の女性職員がおびえてしまい市長室に入れなくなってしまったことや、その壁の傷を当時秘書課長だった金子氏が休日に色鉛筆と紙やすりで目立たないように補修したエピソードがありました。

職員づてで聞いたことのある同様のトンデモエピソードは他にもたくさんありますが、ここに至るまで大木市長側からの陳述書が一切出てきていない。次回の期日でも法的解釈の議論のみに終始するのであれば、今度こそ本当に次々回は証人尋問のはずです。1月中旬に証人尋問、3月上旬に最終弁論、5月上旬に地裁判決だとすると来年4月16日告示・23日投開票とされている市長選挙には間に合わない可能性が高くなってきたと思います。

それでいーのか裁判所。

2022年10月3日月曜日

第6回書面による準備手続き(web)の準備書面を閲覧してきました(8月末に)

 8月31日、訴訟記録の閲覧に行っていたのですがあまりに内容が乏しく更新していませんでした。今回は原告(反訴被告)の大木市長側からの準備書面が48ページ分ありましたが、被告(反訴原告)の金子前副市長側の主張が具体性・客観性・真実性がないと繰り返すのみで大木市長側の証人の具体的な証言など新しい材料が全くない状態でした。それってあなたの感想ですよね?状態。

それでも準備書面を48ページも作り、しかもファックスで裁判所に送るあたり手続き的にも石器時代かな?という感想で、何より驚いたのがまだ証人尋問を開かず次回も書面による準備手続き(web)だそうです。この訴訟指揮、問題あるのでは?

第7回書面による準備手続き(web)の日時は10月18日11時30分から。約2か月ごとの期日なので、次の次が証人尋問だとしても12月から1月にかけてでしょうか。来年5月には市長選挙があるので、それまでに地裁の判決が間に合うのか雲行きが怪しくなってきたかもしれません。

2022年6月16日木曜日

まだまだ証人尋問まで行かない(第5回書面による準備手続き(Web))

 大和市の大木哲市長が前副市長を名誉棄損で訴えている裁判で、直近(6月13日)の書面による準備手続きの資料を閲覧してきました。

前回の期日から金子元副市長側からの準備書面は3通(準備書面(3)~(5))提出されており、自らの立場からの主張を行い相手方に反論を行っていましたが、特に目新しい材料はないように見えました(6月9日に大和市議会が公表した前副市長辞職等に関する調査特別委員会経過報告書もまだ書証にはなっていません)。

他方、大木市長側からの準備書面は提出されておらず、もう主張し尽くしたということでしょうか。パワハラはなかったという第三者からの陳述書はないので、大木市長の主張を裏付ける物は何もない状態でこのまま証人尋問に行くのかな、と思いきや次回の期日も書面による準備手続きでした。

次回の期日は8月25日(木)で約10週後。今までの期日を整理すると以下のようになります。

令和3年6月10日 大木市長が金子元副市長を提訴

9月17日(99日後) 第1回口頭弁論期日→取り消し

11月5日(49日後) 第1回書面による準備手続き(web)

12月24日(49日後) 第2回書面による準備手続き(web)

令和4年2月25日(63日後) 第3回書面による準備手続き(web)

(3月30日 金子元副市長反訴、令和4年(ワ)1103号 慰謝料請求反訴事件)

4月28日(63日後) 第4回書面による準備手続き(web)

6月13日(46日後) 第5回書面による準備手続き(web)

8月25日(73日後) 第6回書面による準備手続き(web)

判決を出すには口頭弁論期日を1回は開かないといけないことに加え、その期日で証人尋問(と本人尋問?)も行うとするとそこが今回の訴訟の最大の見せ場になるはずです。関係者の日程調整もあるにせよ、第6回書面による準備手続きのあとに期日が入るとすると早くて10月中旬でしょうか。正直、遅いなあと思います。

余談ですが、今回訴訟資料の閲覧の際に小型キーボードを持ち込み、メモをスマホのドキュメントでとろうとしたところ、「訴訟資料の閲覧はあくまでも閲覧なので、内容の一部でもそのまま記録することは認められていない、『その見聞する裁判を認識、記憶するためになされるものである限り』メモを取ることが認められているので注意してください」との指示がありました(結果的に大木市長側からの準備書面がなかったので何も記録することがなかった)。

今まで手書きで資料の一部を長時間書写しても何も注意されたことがなかったので、PCやキーボードを使って作業をしようとする人には注意する運用になっているようです。スマホで写真を撮るのはダメ、というのは明記されていましたが、メガネ型カメラやらペン型カメラでも使えばわからんだろうとも思うし、そもそも裁判は公開じゃないのか、手書きは黙認して便利な手段は認めないってどうなんだとも思います。

2022年5月9日月曜日

まだ証人尋問まで行かない(第4回書面による準備手続き(Web))

大和市の大木哲市長が前副市長を名誉棄損で訴えている裁判で、前副市長側が反訴したという報道があり、直近(4月28日)の書面による準備手続きの資料を閲覧してきました。

前回の期日では前副市長側から元職員3人の陳述書(説明・了解済の事項について説明を受けていないと大木市長から叱責された、急な工事内容の変更を指示され対応に困ることが多々あった等の内容)が証拠書類として提出されていました。

3人の立場は元副市長、元部長、技術系の元係長でそれぞれ異なりますが、とても具体的な内容だったため、それらを受けて大木市長側がどのような反論をするのか、大木市長側からも「パワハラはなかった」趣旨の職員・元職員による陳述書が提出されるのか注目していました。

結果的に大木市長側からの陳述書はなし、反論についてはおおむね以下の通りでした。

反訴原告は、大和市OB3人の陳述書により3つのハラスメント行為の態様が「具体的に明らかになった」などと主張する。しかしながら、本訴においても同様であるが、反訴原告は、何を根拠に反訴被告の行為がパワーハラスメントに該当するというのか、極めて不明確である。というのも、10数年以上も前の言動を述べた陳述や反訴原告自ら「業務上関わりが少ない」という元係長(それも同人が述べていることのほとんどは係長ですらない担当者時代のことばかりである)による直接反訴被告と接したものでない出来事を並べた陳述と、報道された反訴原告の様々な名誉棄損的発言の間には、具体的な関連性が認められない。反訴原告が、これらのどの記述に基づきいかなる事実を明らかにし、いったい何を根拠にどのような主張がしたいのか、全く不明確であって、これらの陳述書によっては何らの事実も明らかになっていない。

「ご批判は当たらない」を連発していた政治家を思い出しました。が、判決は裁判官の自由な判断に基づいて下されるので、これが大木市長が個人的に訴訟手続きの代理を依頼した大澤孝征弁護士の考える最善ということだと思います。

次回の期日は6月13日(月)。約6週後。もういい加減証人尋問でよいと思うのですが、このペースだと次々回の期日に証人尋問としても8月上旬でしょうか。

2022年4月1日金曜日

大和市長パワハラ訴訟、反訴

 大木哲大和市長に民事訴訟を提起されていた金子勝前副市長が反訴を提起したようで記者会見を行ったようです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/0837e4a0bd64177bd35eed09eef330700caa8538

次は大木市長の主張を裏付ける陳述書(大木市長が職員に声を荒げるなんて見たことも聞いたこともない)が部長級の複数の職員から提出される流れでしょうか。

次回の書面による準備手続きは4月28日。期日後、早めに閲覧したいです。

2022年3月8日火曜日

被告側の証拠書類として陳述書が提出されていました

大和市長の大木哲さんが元副市長の金子勝さんを訴えている謝罪広告等請求事件の訴訟資料を閲覧してきました。

前回は被告側弁護士からの求釈明(名誉毀損だと主張する範囲の確認)で終わっていましたが、令和4年2月25日に実施された第3回書面による準備手続きの訴訟資料で、被告側(金子さん側)の証拠書類として陳述書が提出されていました。

陳述者は新聞報道でも「パワハラがあった」と明言していた平松元副市長、2016年3月末まで大和市職員だった元政策部長、2020年3月末まで大和市職員だった技術系職員の3人。全員実名で昨年9月から10月にかけて作成した書面でした。

元政策部長の陳述書は企画政策課長だった時期に大木さんが市長に当選し前の土屋市長時代の政策について繰り返し叱責を受け、当時の副市長や総務部長に異動を願い出て福祉総務課長に異動できた話や、部長時代に市長から厳しい叱責を受け口頭で謝罪をした後にさらに反省文の提出を求められた話がありました。その他にも金子元副市長の主張の裏付けとなるような市長の言動についての詳細な記述もありました。

技術系職員の陳述書では、工事が進んでいる現場に市長がやってきて、事前に確認をとって設計施工を進めているにも関わらずその場で急に設計変更を指示されることが頻回にあったこと、民間の建物内に分室のスペースを借用するにあたり市長の確認をとって進めているにも関わらず急に言っている事が変わり先方との交渉に著しい支障をきたしていたことなどが詳細に記載されていました。この技術系職員は定年前に大和市に見切りを付け転職しています。

これで金子さん以外にも3人の関係者が大木市長のパワハラもしくはそれにつながる事案について詳細を述べているわけですが、これらは全て根拠のない話で大木さん個人を貶めるために全員で嘘をついているという主張をするのでしょうか。

報道されているように現役の大和市の管理職を対象とした匿名のアンケートでは6割近い人が大木さんからのパワハラを見聞したことがある、または自分が直接被害を受けたと回答しており、それらも全て根拠のない話で自分を貶めようとしているのだ、と主張するのでしょうか。

なお、閲覧記録を確認したところ、陳述書が提出されてから3名の方が既に本記録を閲覧しており、うち2名は新聞記者(朝日新聞と東京新聞)と思われます。

次回は4月28日、やはり書面による準備手続き(web)のようです。今のところ金子さんから大木さんへの反訴はありません(個人的には少額でも反訴して良い事案だと思いますが)。証人尋問は公開の口頭弁論で行われるはずなので、今のペースでは早くても6月下旬でしょうか。