2021年7月20日火曜日

謝罪広告等請求事件(横浜地裁令和3年(ワ)2232号)

大和市長の大木哲氏が金子勝前大和市副市長を相手取って裁判を起こした訴訟について、大和市に市長への手紙を出しても納得の行く回答が得られなかったので訴状を閲覧してきました。

横浜地裁で事件番号(横浜地裁令和3年(ワ)2232号)がわかれば収入印紙150円のみで誰でも訴訟資料は閲覧できます。

コピーは当事者しかできないのでメモ程度ですが、わかったことを記録として残しておきたいと思います。

  • 担当は横浜地裁第9民事部、合議体B(裁判長髙宮健二氏、陪席判事三坂歩氏、浅野雄一朗氏)
  • 事件名は「謝罪広告等請求事件」
  • 原告代理人は新聞報道等の通り大澤孝征氏(単独)
  • 請求額は総額13,981,660円(内訳:慰謝料1,000万円、弁護士費用100万円、新聞各紙への謝罪広告掲載費用2,981,660円)
  • 第1回口頭弁論期日は9月17日(金)13時30分から
  • 訴状に対する答弁書はまだ提出されておらず、被告側代理人も不明

個人的な感想として慰謝料1,000万円は高額と感じましたが、その理由が「原告は、側近であった前副市長に裏切られ、多大な精神的苦痛を受けており、これらの被害を慰謝するためには少なくとも1,000万円が相当である。」とありました。

確かに副市長は市長の「側近」かもしれませんが、それはあくまでも業務上の上下関係だったはずで、「裏切られ」という表現にも男女関係のもつれを想像してしまい違和感を感じました。

また、謝罪広告の掲載についてもパワハラ疑惑を報じた神奈川新聞、読売新聞、朝日新聞、東京新聞、タウンニュースの5社について5cm2段広告(タウンニュースのみ7cm2段広告)で謝罪広告を掲載せよとなっていました。

文面も指定しており、

(題名)大木哲氏(神奈川県大和市長)に対するお詫び

私は、〇〇新聞〇〇の取材に応じて大木氏によるパワーハラスメント行為があった旨をお話しましたが、そのようなパワーハラスメント行為は存在しませんでした。私の言動が原因で、〇〇年〇〇月〇〇日付本紙記事により、あたかもパワーハラスメント行為があったかのように報道されるに至ったことで、大木氏の名誉を傷付けたことを深くお詫び致します。

前大和市副市長 金子勝

にしろ、題名は11ポイント、本文は10.5ポイントにしろとのことでした。

広告掲載費用はウェブで公開されている費用を元に積算しており、神奈川新聞132,000円、読売新聞1,391,500円、朝日新聞1,100,000円、東京新聞305,800円、タウンニュース52,360円とのことでした。

訴状を閲覧した7月20日には朝日新聞、神奈川新聞で労働組合のアンケート結果も報じられており、大木哲氏によるパワハラについて見聞したことのある職員が多数いるとされていることからも、普通に考えれば本件訴訟は相当な無理筋かと思われます。

大和市当局からは「私的な訴訟のためお答えできない」という答えしか返ってこず、大和市議会の動きもよくわからないため、今後も適宜訴訟資料の閲覧や証人尋問の傍聴など、関心を持ってこの問題を追いかけていきたいと思います。

#大和市長

#パワハラ

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